読み
けつがす
意味
血ガス(血液ガス分析, ABG: Arterial Blood Gas)は、動脈血中の酸素(O₂)、二酸化炭素(CO₂)、pH、重炭酸イオン(HCO₃⁻)などを測定する検査です。特に呼吸・代謝状態の評価や、人工呼吸器管理、酸塩基平衡(pHバランス)の確認に重要です。
主な測定項目と意義
✅ pH(7.35~7.45) → 血液の酸性・アルカリ性の指標
✅ PaO₂(80~100 mmHg) → 動脈血中の酸素分圧(酸素供給の指標)
✅ PaCO₂(35~45 mmHg) → 動脈血中の二酸化炭素分圧(換気の指標)
✅ HCO₃⁻(22~26 mEq/L) → 重炭酸イオン(腎臓の酸塩基調整)
✅ BE(Base Excess, ±2 mEq/L) → 代謝性アシドーシス/アルカローシスの評価
✅ SaO₂(95~100%) → 動脈血の酸素飽和度(酸素供給の指標)
血ガス分析の臨床的意義
🔹 呼吸状態の評価(COPD、ARDS、人工呼吸管理)
🔹 酸塩基平衡の評価(アシドーシス/アルカローシスの診断)
🔹 代謝異常の確認(腎不全、糖尿病性ケトアシドーシス)
血ガス異常のパターン
- 呼吸性アシドーシス(PaCO₂↑, pH↓) → 肺疾患、換気低下
- 呼吸性アルカローシス(PaCO₂↓, pH↑) → 過換気、ストレス
- 代謝性アシドーシス(HCO₃⁻↓, pH↓) → 腎不全、乳酸アシドーシス
- 代謝性アルカローシス(HCO₃⁻↑, pH↑) → 嘔吐、利尿薬使用
まとめ
血ガス分析は、呼吸・代謝の状態をリアルタイムで評価できる重要な検査です。特に透析患者や人工呼吸管理中の患者では、酸塩基バランスのモニタリングが重要になります。
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