読み
あいえいちでぃーえふ
意味
iHDF(間歇的血液濾過透析, Intermittent Hemodiafiltration)は、血液透析(HD)と血液濾過(HF)を組み合わせた透析療法で、濾過と補充を間歇的(一定時間ごと)に行うのが特徴です。
iHDFの特徴
- 基本は通常の血液透析(HD)と同じ透析液を使用
- 一定時間ごとに濾過(UF)と補充液の投与を繰り返す
- 間歇的に対流(Convection)を利用するため、中分子~大分子の老廃物除去が向上
- 従来のオンラインHDFよりも循環動態が安定しやすい
iHDFと他の透析法の違い
比較項目 | iHDF | オンラインHDF | 通常のHD |
---|---|---|---|
老廃物の除去原理 | 拡散 + 間歇的対流 | 拡散 + 持続的対流 | 拡散 |
補充液の投与 | 間歇的(一定時間ごと) | 持続的 | なし |
循環動態の安定性 | 高い(除水調整しやすい) | やや不安定になることも | 低血圧になりやすいことがある |
適応患者 | 低血圧リスクのある患者 | 高効率な老廃物除去が必要な患者 | 一般的な透析患者 |
メリットとデメリット
✅ メリット
- オンラインHDFと同様に中分子~大分子の老廃物除去が可能
- 透析中の血圧低下を抑えやすい(間歇的な補充で除水バランスを調整)
- 従来のHDよりも合併症予防の効果が期待できる
❌ デメリット
- 通常のHDに比べて設備や技術が必要
- HDFと比較すると対流除去の効果がやや低い
iHDFの適応患者
✅ 透析低血圧になりやすい患者
✅ 透析アミロイド症や炎症を予防したい患者
✅ 通常のHDでは十分な老廃物除去が難しい患者
まとめ
iHDFは、オンラインHDFに近い老廃物除去効果を持ちながら、血圧の安定性を向上させた透析方法です。特に血圧低下リスクのある患者に適しており、従来のHDよりも合併症予防の効果が期待されます。
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