読み
みぶんかくへぱりん
意味
未分画ヘパリン(UFH: Unfractionated Heparin)は、強力な抗凝固作用を持つ薬剤で、血栓の予防や治療、血液透析時の抗凝固に広く使用されます。
主な作用
✅ アンチトロンビン(AT)を活性化し、血液凝固因子Ⅱa(トロンビン)とXaを阻害
✅ 血液凝固を抑えて血栓形成を防ぐ
✅ 可逆的な作用で、プロタミン硫酸塩により中和可能
適応(使用される疾患)
🔹 血栓症の治療・予防(深部静脈血栓症〈DVT〉、肺塞栓症〈PE〉など)
🔹 心筋梗塞や狭心症の治療
🔹 透析時の抗凝固薬(血液回路内での凝固防止)
🔹 手術時の抗凝固管理(心臓手術、体外循環)
未分画ヘパリンの特徴(低分子ヘパリンとの違い)
項目 | 未分画ヘパリン(UFH) | 低分子ヘパリン(LMWH) |
---|---|---|
作用部位 | トロンビン(Ⅱa)+ Xa因子阻害 | Xa因子阻害が主 |
投与方法 | 静脈注射・皮下注射 | 皮下注射 |
効果の即効性 | 速い(静注で即効) | やや遅い |
半減期 | 短い(約1.5時間) | 長い(約4~6時間) |
モニタリング | 必要(APTT測定) | ほぼ不要 |
解毒薬 | プロタミン硫酸塩 | 部分的にプロタミンで中和可能 |
血小板減少症(HIT) | 起こりやすい | まれ |
注意点と副作用
❌ 出血リスク(投与量の管理が重要)
❌ ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)(血小板が減少し、逆に血栓を作るリスク)
❌ APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)の管理が必要(過剰な抗凝固を防ぐため)
まとめ
未分画ヘパリンは、速効性があり、血栓治療や透析時の抗凝固に広く使われるが、APTT管理が必要でHITのリスクもあるため注意が必要です。
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